他社製品と並べて比較されることで認知拡大。「機能実装キャンペーン」で大量レビュー獲得も

あらゆる業界の「現場」にフォーカスし、そこで働く人たちにとって本当に役立つシステムは何かを追求し続けているシムトップス。同社では、自社製品の1つである現場帳票の電子化ソリューション「i-Reporter」においてITreviewを活用し、半年間のうちに100件近くのユーザーレビューを獲得。さらには顧客満足度・認知度の高いトップ50製品を表彰する「ITreview Best Software in Japan 2022」でも3位に選ばれています。数多くのレビューをどのようにして集め、そのレビューをどう形で活かして満足度・認知度向上を図ってきたのか、話を伺いました。

■インタビュイー情報
株式会社シムトップス
マーケティング&カスタマーサクセス部門      専任担当 前川泰宏様

本記事のサマリー

【背景・課題】
・ネット上での認知拡大に、製品特性による難しさ
・製品にたどり着いてもらう道筋を増やしたい
・他社での製品活用事例を知りたいという顧客の要望
・ユーザーの生の声を拾い上げる手段を模索していた
【活用の効果】
・資料ダウンロード、セミナー申し込みの数が1.3~1.5倍に
・資料請求ページへのバッジ掲載で離脱率減少
・「送客ボタン」でリードにつながる見込み顧客を獲得
・社内と顧客の両方のモチベーションアップに

SEO対策が困難な製品の認知拡大を狙える最適なプラットフォーム

―はじめに御社の事業内容と、「i-Reporter」という製品について教えてください。

当社はiOS / Windowsアプリ、Webアプリをはじめとするソフトウェア製品の開発・販売を手がけています。「他にはないOnlyOneのユニークで変態的に強力な製品・サービスを創る」をビジョンに、現場のかゆいところに手が届く「ニッチな製品」を作ることを大事にしている会社です。

現在ITreviewを活用している「i-Reporter」も、当時はまだ現場向けにほとんど存在しなかった「現場の紙を電子化する」ことを目的としたニッチなペーパーレスソリューションでした。これは現場帳票の電子化ソリューションで、現場で作成する製造日報や品質点検チェックシート、不具合報告書といった紙の帳票、報告書を電子化して、タブレット上入力できるようにする製品です。

一番の特徴は、現場で今使っている帳票デザインをそのまま継承しながら電子化できることです。製造業や物流業、建設業、さらには小売業など、さまざまな業界の現場にはITがいまだ浸透しきれていません。年齢層も幅広く、若い人から高齢の方までいらっしゃいます。そうした中で、紙を使っていたのがいきなりWebシステムなどレイアウトが全く異なるものになってしまうと抵抗感があります。しかし「i-Reporter」であれば、紙の見た目そのままで電子化できるので、戸惑わずに使い始められます。

また、Microsoft Excelを使って電子帳票を作れるのもポイントです。計算式や入力条件などを簡単に設定できる、いわゆるノーコードプログラミングが可能で、お客様ご自身でExcelからデジタル帳票に変換できます。

―ITreviewを活用しようと考えた理由は何でしたか。

最大の目的はインターネット経由での認知の拡大です。当社製品は数百社に上る代理店を通じて販売しているため、そうした営業活動による企業様への認知はある程度取れているのですが、インターネット上ではそうではありません。SEO対策をしようと思っても、潜在顧客が「i-Reporter」に行き当たるための検索ワードとして適切なものがなかなか思いつかなかったんです。

たとえば「帳票の電子化」というワードだと、一般的には「請求書や見積書、契約書の電子化」になりますし、「ペーパーレス」というワードにすると「紙書類をスキャンしてPDF化する」みたいなものとして捉えられます。そのため、作業現場で使っている報告書を電子化してタブレットで閲覧・記入できるようにする、というコンセプトの「i-Reporter」にはたどり着けず、なかなか知ってもらえない状況にありました。

そんなときに知ったITreviewが最適なプラットフォームになってくれると思いました。たとえばカテゴリーごとの製品一覧にアクセスしてもらえれば、他の競合に近い製品とともに「i-Reporter」の存在を知ってもらえます。他社製品と比較できるので、当社製品特有のメリットも理解してもらえるだろうと考えました。SEO対策に取り組むことも大事ですが、それに加えて、「i-Reporter」にたどり着いてもらうための道筋を少しでも増やしたかった、という感じですね。

―通常のSEO対策とは違った形で製品を露出できると考えたわけですね。

そうですね。それと既存のお客様から、他の会社が「i-Reporter」をどう活用しているのか具体的に知りたい、という要望が以前から頻繁に求められていたこともあります。これは、現場の方主導で使っていただくという製品の特徴から、その活用方法が表に出てきにくいのが理由です。他の現場でどんな風に使いこなしているのか、それをお客様が互いに知ることができるように、当社としても何かアクションを起こしたいとは思っていました。それについてもITreviewであれば、まさに現場のユーザーによるレビューの形で、どう使っているのかが明らかになります。

また、先ほど申し上げたように代理店販売をしてるので、当社自身はエンドユーザーであるお客様と直でつながっていないことが多い。お客様からの声を拾うには代理店の方を通じて知る方法しかなく、しかもそれだと代理店側でフィルターがかかってしまう可能性もあります。代理店経由ではない形で、お客様から直接的に声を拾い上げる手段としても、ITreviewが力になるだろうとも考えました。

改善要望を積極的に受け入れるユニークなキャンペーンでレビュー増

―ITreviewを本格活用し始めてからすぐにレビューが40件集まり、最近はさらに60件も増えています。レビューを集めるうえで工夫されたことはありますか。

現場帳票の電子化ソリューションとしては業界内でシェアNo.1でしたので、お客様の数がもともと多かったのが1つ。それもあって、まずITreviewを活用し始めたときにギフト券を配布するキャンペーンを実施したところ、一気に40件のレビューが集まりました。

ただその後は同じキャンペーンを繰り返しても集まりにくくなりましたので、最近になって新たに「機能実装キャンペーン」を実施したところ、再びドカンと増えたんです。レビューに改善要望を書いていただければそれを製品に反映します、といった内容で、もちろん当社が考えている製品開発の方向性は考慮しつつも、お客様の声としていいご意見があれば積極的に受け入れようと。この案内はメールや、当社が運営しているユーザー様向けサイトのバナーなどで告知しました。

―そのようにして集めたレビュー、Grid Awardの受賞バッジなどはどのように活用してきましたか。また、活用した機能もあれば教えてください。

当社サービスサイトで大きくバッジを掲示したのと、配布資料の一部にバッジとお客様のレビューを掲載しました。あとは資料請求ページへのバッジ掲載ですね。資料請求のフォームがあるページで離脱する率が高いという課題があり、その対策としてITreviewでの受賞歴を示すバッジを貼ることで、離脱率を抑えようと考えました。結果的には、そこまで大きな効果とは言えませんが、5%ほど離脱率が低下しています。

また、ITreviewの契約をPremiumからAdvancedプランに変更しました。なぜなら、ITreviewのカテゴリーごとの一覧ページに外部リンクを貼り付けられる「送客ボタン」機能を使いたかったからです。当社としては、他の製品と並んで表示されるカテゴリー一覧ページからの流入にも期待していましたから、カテゴリーの上位に入っていない段階でも目立つように表示されて、「i-Reporter」に興味をもってもらえる、あるいは知ってもらえる入口を作れるのはありがたかったですね。もちろんこの「送客ボタン」を使うことで、ITreviewからどれだけお客様がアクセスしてくるか計測することもできます。

―ITreviewを活用していくことについて、社内からはどんな反応がありますか。

レビューの内容や受賞したことについては随時社内に情報共有していますが、一番反応が大きいのは社長ですね(笑)。たとえば「ITreview Best Software in Japan 2022」で「i-Reporter」が3位になったときには、社長が本当に喜んでいました。

また、代理店販売ということで、普段の仕事のなかでエンドユーザーの方と直接やりとりすることがないものですから、ITreviewを通じて生の声や製品の評価を知ることができるのは、自分たちのモチベーションにもなっているという声が社内のいろいろな部門からも上がっています。

―ITreviewによる効果として実感しているところはあるでしょうか。

一番数値的に伸びたと思っているのが、「ITreview Best Software in Japan 2022」の受賞後から資料ダウンロードとセミナーの申し込みが1.3~1.5倍に増えていることです。それに加えて新規のお客様のお申し込みも55%ほど増えていますね。

ユーザーレビューについては、社内で漠然と「ここは使いづらいかもな」と予感していたところが、お客様からの声を見るとやはり同じところを指摘されていることに気付けました。お客様の悩みを再認識して、製品改善の方向性をしっかり定められるようになったと思います。

他には、当初期待していた通り、お客様が他の会社のユーザーレビューを見ることができるので、他の現場ではどんな風に使っているのか、他の会社はどこに課題があって活用し始めたのか、もしくは結果としてどういった効果を上げているのか、といったところがわかるようになったと思います。それによってお客様の方でも製品活用のモチベーションアップにつながっているように感じているところです。

レビュー獲得には顧客にメリットがある形でのキャンペーンを

―今後、ITreviewの活用をどのように広げていきたいと考えていますか。

当社の他の製品をITreviewに掲載したいと思っているところです。というのも、「i-Reporter」に関連する新製品をいくつかリリースしていまして、それらのレビューを獲得していきたいというのもあるのですが、それと同時に「i-Reporter」のユーザーレビューのなかで「連携して利用中のツール」としてお客様の方で表示してもらえることが期待できるからです。そうすることで「i-Reporter」のレビューを他の方が見たときに、いろいろな製品と連携できることに気付いてもらえるはずです。

あとは販売代理店の方にも、ITreviewに掲載されているレビューが日々の営業活動で役に立つことを知ってもらって、販促につなげていければと思っていますし、ITreviewにホワイトペーパーの制作をお願いして、それを代理店の方に使っていただくことも考えています。

ただ、レビューを獲得していくところは、いろいろと施策を考える頭が必要だと感じています。「機能実装キャンペーン」でたくさんレビュー投稿していただけたものの、これを何回も繰り返すとやはり集まらなくなります。そういう意味では、新規のお客様にレビューを書いていただけるようにする循環をどうやって作っていくかが重要です。単に「レビューを書いてください」だけではお客様にとっては面倒なことだと思われてしまいますので、きちんとお客様にメリットがあるような形でのキャンペーンの打ち出し方を考えていこうと思っています。

―ITreviewをこれから活用していきたいと考えている他の企業に向けてメッセージをいただければ。

たかがレビュー、されどレビューなんですよね。ネット上のショッピングサイトで他の人のレビューを参考にして買い物することがあると思いますが、企業向けの製品についてそういった形のレビューが集まっているサイトは貴重です。導入を検討している方にとっては非常に良い判断材料になると思います。

100件のユーザーの声を集めるのはたしかに大変で、労力はかかりますが、ITreviewからはレビュー獲得に向けてしっかり支援していただけるので、そこまで苦労することはないと思います。そのうえでリードの増加、資料やセミナー申込の増加という結果にもつながります。Web広告やSEO対策の取り組みと並行して、ITreviewを大いに活用してみてはいかがでしょうか。

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