既存顧客の声で新規顧客を呼び込むレビューマーケティング
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2025年11月6日
Excelに頼った属人化やファイル分散、更新漏れ。多くの企業が抱える“日常の不便”を、現場主導で解きほぐすノーコード業務アプリが『CELF』です。SCSK株式会社が提供する『CELF』は、Excelライクな使い勝手で業務アプリを自作できます。また表計算による集計機能をはじめ、パッケージ型では対応しきれない柔軟性、リレーショナルDBによる堅牢性、さらに基幹システムとの連携までを一気通貫でカバーします。
今回は、ITreviewの「プロダクト改善」分野での受賞を背景に、『CELF』がレビューをどう開発に生かし、認知とリード獲得をどう伸ばしてきたのかを深掘りしました。
■インタビュイー情報
SCSK株式会社
CELFビジネス推進部
マーケティング課 マネージャー 武下 修 氏

【導入前の課題】
・目的はトライアルの獲得。ITreviewの強いSEOと第三者レビューの信頼性に期待。
・直販比率が低くエンドユーザーの“生の声”が集まりづらい。
・多機能ゆえ価値やユースケースが端的に伝わりにくく、インバウンドでの問い合わせには結びつきにくい
【ITreview活用後の成果】
・他施策と組み合わせることによってWeb経由のリードは前年の200%、トライアルは前年比120%へ。
・『CELF』の指名検索ボリュームは約20%増。
・ITreviewレビューをAIで分類・優先度付けし、開発バックログを可視化。6月にはレビュー要望を起点に生成AI機能をリリース。
「導入の背景としては集客を重視しました。ITreviewはSEOが強く、口コミが多い。『CELF』の良さを第三者が語ることで信頼性を高められると考えました。」(武下氏)
SCSK様ではパートナー販売に力点を置いており、直販の接点が相対的に少ないため、エンドユーザーの本音に触れる機会が乏しいという事情がありました。しかも『CELF』は“できることが広い”がゆえに一言で価値を伝えにくいプロダクト。ExcelライクなUIでノーコード開発ができ、ERPや会計システムとつながり、Excelマクロ相当も専門知識不要のローコードで自動化できる。この幅広さは強みである反面、短い営業接点では伝え切れない壁になります。
そこで武下氏は、客観的な比較と実体験の言葉が蓄積されるITreviewに注目しました。「セミナーのように丁寧な説明が必要な商材だからこそ、詳細なユーザーのレビューが刺さる。競合との違いをユーザーの言葉で伝えられる場にもなっている」と話します。

定量効果について、武下氏は次のように語ります。
「Webリードは前年対比で約200%に増えました。ITreviewだけの成果ではなく露出の相乗効果ですが、寄与は大きいと見ています。」
「トライアルは前年比120%。ITreview単体のトライアル流入は月数件程度とまだ伸びしろがありますが、バナー最適化などで改善したいです。」
「指名検索のボリュームは前年から約20%増。受賞などを含む露出強化の効果だと考えています。」
『CELF』チームでは、レビューをマーケティングのシーンだけではなく、製品の機能改善にも活用しています。具体的な機能改善のフローとしては「レビュー収集→分析→優先度付け→開発共有→機能開発」を内製しています。この機能改善フローはCELF AIで作成した「レビュー分析アプリ」で行っており、すでにある程度自動化できています。
弊社では開発側に共有する際に2つの方法でレビューデータを共有しています。一つはITreviewからCSVでレビューをエクスポートした生データ、もう一つは自社プロダクト『CELF』のAI機能を使って以下を自動で抽出してサマリーしたデータを渡しています。
・① キーワード抽出:不満・要望・称賛などの観点でテキストを分解
・② カテゴリ分類:UI/UX、機能、パフォーマンス、連携性、サポートなどに自動仕分け
・③ 優先度付け:出現頻度や影響度で“今やるべき”を可視化
・④ 開発への直接共有:生データも渡すが「何を優先するか」をコンパクトに提示
「百件超のレビューを開発に丸投げしても見切れません。“優先度が高い改善点はこれ”と提示すると採用されやすい。個人の感覚的な改善要望では通らなくても、ユーザーの声を根拠にすれば議論が進みます。
この取り組みの成果として、レビュー要望を受け、今年6月に生成AI機能をリリースしました。また、Excelユーザーが求める関数や操作の改善など、初めてのCELF利用者がつまずきやすいUI/UXの手当ても進行中です。
直販の比率が低く、エンドユーザーの声を直接拾いにくい状況もあり、「開発経験者の視点で正しい」とされる開発を行っていたように感じます。開発経験者から見れば妥当であっても、Excel中級者レベルの開発未経験者にとっては、UIやUXの面でややとっつきづらい部分もあったように思います。
ただし、当時はそのようなユーザー視点の課題を裏付けるエビデンスを十分に持ち合わせていませんでした。ITreviewで得られたレビューを開発側に共有することで、客観的なエビデンスに基づく“ユーザーファースト”の開発体制を整えることができたと感じています。
このような態勢は非常に重要だと考えており、これからもそういった態勢で開発し続けるために、レビューデータを開発担当の目に触れる場所で管理をしています。また、ITreview上でOPENになっているので非常に助かっています。」と武下氏は語ります。
レビューは営業資料にも展開。「事実ベースの口コミを資料に組み込める強さは大きい」と武下氏。さらにITreviewの受賞は“食べログ百名店”のように分かりやすい勲章として効き、社内意思決定の後押しにもなっています。
また、パートナーを通しての営業が多い中で、定性的な情報を定量的に伝えられる面でも効果を実感しています。
・ExcelライクなUIでノーコード開発が可能
・リレーショナルDBを採用し、大容量データの保管・集計に強い
・ERPや会計など基幹システムとスムーズに連携
・Excelマクロ相当の処理を専門知識不要のノーコードで自動化
また、生成AI機能により、OCRを用いたPDF書類のデータ読み込みや、社内データを活用したFAQ自動作成(RAG)をはじめ、データの要約・加工、過去実績に基づくプランニング、要件整理などの業務を支援します。
「“Excelを『CELF』に置き換える”を起点に、加工・集計・連携までの一連を自動化できます。社内で行っている、レビューデータの分析業務も「CELF AI」で作成したレビュー分析アプリを使って自動で抽出しているので、もしITreviewを活用されていてレビューデータの分析に手間取っている企業様がいたら是非ご連絡いただければ、お手伝いさせていただきます(笑)」(武下氏)
マーケティングは数名の少数精鋭。セミナーやウェビナー、パートナー共催イベントなどを広く実施しつつ、デジタルではリスティング、リターゲティング、ASP、コンテンツマーケティングなどを運用。レビュー獲得については「公平性を保ちながらキャンペーン情報をユーザーへ案内し、積極的に取り組んでいる」と語ります。

最後に、ITreviewを継続する理由を聞きました。
・開発の羅針盤:レビューをAIで要件化し、UI/UX・機能改善を加速
・販売の推進力:パートナー営業で第三者評価の活用は有効
・需要の可視化:インテントデータをパートナー部門に接続し、提案タイミングと優先度を最適化
「“率直なレビューが増えている”ことが何よりありがたい。レビュー獲得と分析を続け、初めてのCELF利用者にも優しいプロダクトに磨き込みます。」(武下氏)
“何でも作れる”強みは、ときに“何者か分かりにくい”弱みになります。『CELF』は、ITreviewの第三者レビューをレバレッジにして「伝わりづらさ」を乗り越え、開発の優先度付けにまで落とし込む運用を作りました。結果としてリード200%、トライアル120%、指名検索20%増という着実な成果につながっています。ノーコードの導入価値を社内外に“言葉”で証明しながら、ユーザーの声を機能進化へつなぐ
―― その地道な積み上げが、『CELF』を次のステージへ押し上げています。
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