既存顧客の声で新規顧客を呼び込むレビューマーケティング
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2022年2月25日
「現場への定着」にフォーカスし、利用企業2,000社以上を誇るSFA/CRMツール「Senses」(センシーズ)を提供する株式会社マツリカ。後編となる今回のインタビューでは、VP of Productとしてプロダクト責任者を務める久保文誉様に、導入前に感じていた課題感やITreviewに対する印象、今後の展望などについてお話を伺いました。
■インタビュイー情報
株式会社マツリカ
VP of Product 久保 文誉 氏
Marketing Divison Manager 根本 翔一 氏
【背景・課題】
・製品価値である「使いやすさ」を市場に広げていくためのコミュニケーションに課題を持っていた
・「現場ファースト」を実現するために、利用者からフィードバックを貰い続けることを強く意識していた
【効果】
・トップセールスの営業がプロジェクトを立ち上げたことをきかっけに、爆発的にレビュー収集が加速
・企業としてのフィルターを通さないフィードバックが、製品開発の優先順位にクリアな判断をもたらした
・客観性のあるレビューが、導入先の現場や決裁者に承認を取る際の強い後押し
――まず久保様のお仕事内容についてお聞かせください。
久保様:VP of Product という役職で、プロダクト責任者を務めています。製品の企画から開発の管理を担う「プロダクトマーケティングマネージャー」、製品を市場に届けるための戦略を取りまとめる「Go To Market」が主な担当です。その他、エンタープライズセールスや営業支援、広報PRといったことも行っています。
――ITreview導入前に抱いていた課題感や「こんなことを変えていきたい」といったテーマはあったのでしょうか?
久保様:我々が手掛けている「Senses」は営業支援ツール、いわゆるSFAやCRMのジャンルに該当します。このジャンルは海外発のツールがリーダーとして牽引してきた市場ですから、圧倒的に彼らの存在感が大きい点が特徴です。
だからこそ、当社は「機能の多さ」「価格の高さ」といった理由でなかなか海外ツールを使いこなせないユーザーに対して、使いやすいツールをお届けすることに注力してきました。その他にも「すぐにオンボードできる」「最新のUI/UXをお届けする」といった点をバリューとしてご提供しています。
しかし、私たちがいくら言葉で伝えてもセールストークのような形になってしまい、なかなかユーザーに価値が伝わらないものです。そういったコミュニケーションの過程に課題がありました。
――製品を市場に広げていく際に課題感があった、ということですね。久保様は市場に製品を届けるだけでなく、お客様の声を活かして製品改善を行う領域も手がけられているのでしょうか?
久保様:そうですね、我々は「現場ファースト」「現場主義」という言葉を掲げ、営業パーソンやユーザーの方から直接フィードバックをいただけるよう意識しています。例えば、システムの中にチャットツールを入れてみたり、カスタマーサクセスマネージャーがお客様と定期的に面談を行い、そこでの要望を社内にフィードバックしたりしています。
社内でもSensesを使っているので、日々感じる使いづらさや不満をSlackの専用チャンネルで共有しています。実際に使っているユーザーの声を聞き続け、改善を続けるということは意識的に行っていますね。
――御社では2020年の冬からITreviewを再導入していただいています。久保様はITreviewに対して、導入前の段階でどのような印象を抱いていましたか?
久保様:もともと私はSaaSが好きで、海外のWebサイトも自分で調べるタイプなんです。海外ではG2 Crowdのようにレビューサイトの市場が確立していますよね。そういったWebサイトが日本でも出てこないかな、と思っていたところにITreviewが登場したため、注目していました。
Sensesというプロダクトは後発製品ということもあり、ユーザーの声を味方につけることは極めて重要です。そういった意味でも、ITreviewが当社のプロダクトにとって武器になることは導入前から感じていましたね。
――導入前から「こういう風に使っていこう」といった展望を描かれていたのですね。
久保様:そうですね、おそらくITreviewさんが意図されているレビューマーケティングの活用方法と、私たちが理想とする形がかなり近かったのだと思います。とはいえ、どのようにレビューの数や質を担保していくか、という不安はありました。
また、レビューの特性上、ネガティブな情報もフィードバックとして上がってきます。もちろん、それ自体は良いことかもしれません。しかし、自分たちのプロダクトが完成されたフェーズではなかったため、その段階でネガティブな情報が集まるとマーケティング上のマイナスになるのでは、という懸念はありました。
――実際にITreviewを導入いただいてからレビューが増えていく中で、レビューをポジティブに活用するために社内でどのようなお話をされたのですか?
久保様:「レビューを集めることがSensesにとって必要」ということを何度かSlack上で社内に発信しました。その後、徐々にその思いが社内に広がり、トップセールスの営業がプロジェクトを立ち上げてくれたことをきかっけに、爆発的にレビューが集まるようになりました。
毎月のように「この企業の人がこのお客様からレビューを取ってくれた」とみんなに発信してくれたおかげで「レビューをもらうことは良いことなんだ」と称賛する文化が広まったように思えます。
――当初懸念していたネガティブなレビューについてはいかがでしょうか。
久保様: ネガティブな評価をいただいたとしても、本当に我々が直さなければいけないと思っているところを真摯に指摘してくれますし、それは開発の優先順位に反映されていきます。結果として良い成果につながっていますね。
また、ネガティブなレビューは商談でも役立っています。良いレビューだけでないことを示せるので、いわゆるセールストークではなく、真摯にSaaS製品に向かい合っていることを示せている感覚です。
――いわゆるお客様へのアンケートとは違う、オープンな場にレビューを書いていただくことで、お客様や見込み客とも少し違ったコミュニケーションが生まれるものでしょうか?
久保様:これまでに自社でもアンケートを取っていましたが、やはりレビューとの違いは実感します。お客様の立場からすると、アンケートの結果はどこに公開されるかわからないですし、社内で製品の評価を確かめる意味合いが強かったのではないでしょうか。一方、ITreviewのWebサイトに公開されるということは、きちんと世の中に発信されることです。用途が明確だからこそ、お客様もレビューしやすいのだと思いますね。
――冒頭でお伺いしたセールス・マーケティングや製品改善の課題を踏まえ、製品開発の面でITreview導入後に見られた変化を教えてください。
久保様:ユーザーの声が届きやすい運営体制を敷いていたため、お客様は何に満足していて、何を不満に感じているのか、ある程度は把握しているつもりでした。そこにレビューという形でお客様の満足点・不満点がはっきりと届くようになったことで、自分たちの優先順位の判断が研ぎ澄まされたように感じています。
多くの場合、お客様からのフィードバックは、当社の担当者がやり取りしているマネージャーや役職者の方を経由して来ることがほとんどです。つまり、一度企業としてのフィルターを通っているんですね。
しかし、ITreviewに投稿されるレビューは、そういったフィルターを挟まないことがほとんどです。今までのフィードバックでは満たれなかった「この部分が使いづらい」というような本音に近い表現が多いと感じています。
加えて、機能自体は搭載されているのに、ユーザーの方にその存在を気づいてもらえていない、という事態がレビューを通じて発覚することもあります。これは当社からのご案内がきちんと届いていなかったのだと反省する点です。こういったことがわかることは非常に新鮮ですし、良いことだと思っています。
――お客様の声や満足度をよりクリアに捉えられるようになってきたわけですね。お話を営業現場に戻すと、実際に営業の現場でレビューやGrid、バッジなどを使っていただいていますが、営業のやり方や声の伝わり方で変わった部分などはありますか?
久保様:それはあると思います。お問い合わせの段階で「ITreviewを見たところ、Sensesともう一社の二強だった」という声や、「レビューを見たところ良い製品だと思えたので」とお話しいただけることが増えているので、前向きな要素として捉えています。
メーカー側がお客様に価値を届けるのが難しいということは、お客様の立場でも「この製品が良い」と社内に説明することが難しい、ということです。そうした点を考えても「同業他社はこう言ってます」と過去の評価を参照できることは、とても説得力のある材料になりますよね。
――多くの方は製品の導入を検討されている段階でITreviewのレビューを見て、そこからさらに本格検討を進めている印象なのでしょうか?
久保様:そうですね、それが理想的ですし、一部はすでにそうなっていると思います。ただし、当社の場合は営業担当者が初回商談でお客様に対面し、そこで初めてITreviewについてお話ししています。だからこそ、その後の提案フェーズで効果が現れてくるように感じます。
提案の段階でお客様の担当者にはご納得いただけるので、次は導入先の現場や決裁者に承認を取っていきます。そこで「Senses はITreviewでこんな賞をもらっている」と示すことができると、お客様の社内に「この製品は良いらしい」という印象を残すことができるのです。
――お客様の窓口担当者の先にいる方とのコミュニケーションにも活用しているということですね。
久保様:やはりレビューには客観性がありますからね。ベンダーがお客様や市場に提示する「製品の選定基準」は、独りよがりの視点に陥りがちです。ユーザーやお客様の立場からすると、その選定基準は必ずしも重要ではありません。あくまでも、「自分たちのプロジェクトの成功のために、何を大事にすべきか」という視点で優先順位をつけたいはずです。そういったシーンにおいて、ITreviewに集まるレビューが役に立っているのだと思います。
――ITreviewのサポートについて、何かお気づきの点はありますか?
根本様:定期的に面談の機会をいただいて、機能のアップデート情報や当社に合った使い方をご提案いただけるので、とてもありがたいと感じています。要望として挙げていた点も、スピーディーに実装していただけるので、いつも助かっています。
リード獲得の用途でITreviewを使いたい場合には、他社での事例をすぐに出していただけました。こういった日々のコンスタントなサポートが心強く、信頼につながっています。
――最後に、今後の活用や展望、ITreviewへのご期待をお聞かせください。
久保様:ブランディングを進めたり、製品価値を市場に伝えたりする過程で、ITreviewが推奨するレビューマーケティングという手法は当社と相性が良いと感じてきました。今後もレビューの数や質を向上させ、一緒に伴走していただきたいです。
将来の展望については、ITreviewで各サービス間の連携やエコシステムの構築が見えるようになることを期待しています。BtoBのSaaS領域では今後、一つの製品だけでなく、色々なサービスの組み合わせが重要視されていくはずだからです。
例えば、当社のプロダクトが評価されるときも「Gmailとの連携が良かった」「Slackとの連携が最高でした」というコメントが見受けられます。これは、GmailやSlackの価値を一緒に伝えていることと同じですよね。 ITreviewを見れば、そういった複数サービスの価値がわかる、そんな世界観を広げてほしいですね。
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