レビューを活用したeBookがグローバルでも高評価を獲得!

「Think Global Act Local」の発想をもとにした日本市場へのしかけとは?

メッセージプラットフォームの先駆者として、各種アプリとの連携やワークフローなど、ビジネスに必要な機能をシームレスに提供する「Slack」。Slack Japan株式会社(現:株式会社セールスフォース・ジャパン)では2021年、ITreviewに寄せられたレビューをもとにeBookを制作し、同社の他のeBook以上に多くのリード獲得を実現した。今回は同社が作成したeBookとレビューの活用についてインタビューを行った。

■インタビュイー情報
株式会社セールスフォース・ジャパン Slack 事業統括 マーケティング本部
伊藤 哲志 氏

本記事のサマリー

【背景・課題】
・世界で2番目に大きい日本市場において、ユーザーからの評価の声を市場に届けたかった
・単なる「チャットアプリ」ではないSlackの機能や魅力をきちんと伝えるために、新たなコンテンツが求められていた
・米国との文化の違いを踏まえ、真に日本のお客様に響くコンテンツを必要としていた

【効果】
・他のeBookと比較するとダウンロード数が大幅に増加し、米国本社からも日本独自コンテンツの重要性に対する理解を得られた
・改善点に関する投稿は、製品のローカライズを加速させるヒントになっている
・レビュー自体が、マーケターのユーザー理解を深めるための材料にもなった

「Think Global Act Local」の発想でコンテンツのローカライズを加速

―2021年に制作したeBookでは、ITreviewのレビューをフル活用し、多くのリード獲得を実現されたと伺っています。そもそも、どのような意図でeBookを制作したのでしょうか。

伊藤様:Slackは日本市場でも高く評価されており、多くのお客様にご利用いただいています。 Slackは「Digital HQ(会社を動かすデジタル中枢)」というコンセプトを掲げ、チャット機能にとどまらない「ビジネスプラットフォーム」としてご利用いただけるツールとして位置づけられています。

単なるチャットアプリではない、ということは既に様々な場面で実感いただいており、ITreviewに集まってきているお客様からのレビューにも「アプリとの連携が便利」「もう手放せない」といったお声をたくさん頂戴しています。

こういったユーザーの声をきちんと何らかの形で知っていただきたいという思いから、eBookによるコンテンツ化を決めました。

―eBookのターゲットとしては、なかなか声が届かなかった層をターゲットとしていたのでしょうか。

伊藤様:eBookに関しては、特にターゲットを絞っていませんでしたね。市場におけるSlackの認知度は高まっていますが、やはり「チャットアプリ」というイメージが非常に強い。それを払拭するためにどうすれば良いかを考えたときに、我々が普段行っているお客様事例の展開やセミナーとは違った切り口でコンテンツを展開したい、という思いがありました。

ビジネスチャットの概念を超え、プラットフォームとしての認知拡大を目指すSlack

―eBook展開の流れと、そこで得られた成果についてお聞かせください。

伊藤様:当社は米国に本社があるIT企業ですので、数多くのコンテンツが英語で作られています。そのため、これまでも各種コンテンツの翻訳版を日本国内で展開してきました。

もちろん、翻訳版の中には日本のお客様に響くものも数多くあります。しかし、やはり働き方の違いやアメリカの車社会との文化的な違いは、コンテンツに落とし込んでも差異が出てきてしまうんです。だからこそ、我々としても日本の独自コンテンツを積極的に作って、日本のお客様により適した使い方を紹介していきたいという思いがありました。

実際にeBookを展開してみたところ、ダウンロード数といった指標でも良い結果が出ました。そして、米国の本社サイドでも各国の独自コンテンツが大事という話に発展し、国ごとの特性をコンテンツや施策にいかに落とし込むかが、日本の取り組みがきっかけで見直された形です。

―グローバルの大きな戦略や方針があった上で、各国のユーザーに伝わりやすいコンテンツを用意する。その両輪が大事だということですね。

伊藤様:そうですね、今年のマーケティング部の戦略指針の一つに「Think Global Act Local」という言葉があります。
企画を練るときは全世界できちんとしたものを展開できるように考え、それを実行に移すときは各国の文化的側面やビジネスの状況を鑑みましょうということです。

――eBookにご興味を持たれた背景としては、これまでと違ったコンテンツ、ローカライズしていく上での日本の使い方を伝える上でぴったりだと思ったからなのでしょうか。

伊藤様:日本独自のコンテンツ制作として、事例マーケティングの場合は、実際に使っているお客様に取材をして、インタビュー記事をウェブページやPDFの形に落とし込むのですが、とにかく時間がかかります。お客様との交渉や調整も必要なため、短い期間で多くのコンテンツを作ることはできません。

しかし、活用方法やお客様の声、他社の事例について知りたいということはよく聞かれます。そこで何か手はないかと考えたときに、ITreviewの担当者の方から「今あるお客様の声をコンテンツ化できます」とご提案をいただき、eBookの制作を決めました。

忌憚ないレビューがSlackの機能を進化させる

―eBookの中でご活用いただいているレビューについてお伺いします。Slackのレビュー投稿はかなり多いと思いますが、実際にレビューを見られたり、eBookに編集する過程で絞り込んだりする中で、何か気付きなどはございましたか。

伊藤様:一つは「Slackでのコミュニケーションが仕事をする上で欠かせません」といったお客様からの声を多数いただいている点。これは担当者として非常にありがたいですし嬉しく思っています。

そして、我々が推し進めているチャット以外の部分、「他アプリとの連携」「ワークフロー」といったプラットフォームとしてのSlackを評価する声も多くみられる点ですね。

加えて、匿名で投稿されることもある「改善点に関する投稿」です。「こうした方が良いのに」「この機能が少し足りない」といった声をいただけることも、レビューサービスにおける良い点だと思います。

―自社でもユーザー向けにアンケートを行っていると思いますが、ITreviewのレビューでは声の質も違うものなのでしょうか。

伊藤様:ITreviewのレビューは、具体的な利用シーンに関してコメントされている方が多い印象です。我々のイベントでQAやアンケートを取ると、イベントに対するコメントだったり、一般的な機能に関する質問だったりが多くを占めます。一方でITreviewでは「こういう使い方をしているけど、ここが不便」「ここが便利」といった、より具体的で生々しい直の感想をいただけるので、一般的なアンケートとは声の質が違うと思います。

―投稿されたレビューをマーケティングや製品の改善に繋げる余地はあるのでしょうか?

伊藤様: もちろんです。Slackのビジネスにおいて、日本市場は世界で2番目に大きい市場なんです。ですから日本のお客様からの声はかなり開発サイドに届いています。

Slackでは毎週のように機能追加・改善がされています。最近、チャンネル上で短い動画や音声を録って、それをすぐに投稿できる「クリップ」という機能が追加されたのですが、社内で使ってみるといろいろと改善したいポイントが見つかりました。

例えば、クリップの3分という時間の制限。3分という時間は意外と短いものです。ミニプレゼンを投稿しようとしても「3分に収まらないから撮り直しを行い、結局投稿するまでに10分もかかってしまった」ということでは、元も子もないですよね。

また、バーチャル背景も改善を行ったポイントでした。当初、クリップではバーチャル背景が使えなかったため、そのまま背景に自宅の部屋が見えてしまう状況でした。「クリップで今週のアップデートを投稿して」と言っても「ちょっと場所を変えて撮ります」というように、気軽な投稿に使うには少しハードルの高さがあったのです。

現在はどちらも改善されて、時間制限は5分に延び、背景にはボカシが入るようになりました。こういった細かい機能改善は、ユーザーのみなさまの声からも日々いろいろな形でアップデートされていますので、気になることや改善点は遠慮なくSlackに届けてもらえると良いかもしれません。

「価値観のチューニング」を行うためにレビューは欠かせない

―ユーザーレビューをどのような役割、位置づけで捉えられているのでしょうか?

伊藤様:マーケターとしては宝の山ですね。我々は市場がどうなっているのか、さまざまな形で知ろうとします。リサーチ会社からデータを買ったり、グループインタビューをマジックミラー越しに聞いてみたり、いろいろな手法があるわけです。

その中でもユーザーレビューに集まる声は生のユーザーの声ですし、忌憚のないご意見がそこにはあります。フィードバックだけでなく「こういったところが良い」といったお褒めの言葉もいただきますが、実は我々の想定とは目の付け所が違うケースも多々あります。

私もマーケティングに長く携わっていますが、マーケティングの仕事をする上で「価値観のチューニング」は欠かせないものです。ベンダーサイドにいると近視眼的になって「自分の担当製品やサービスはここが良いんだ」「これを伝えなきゃ」となりがちです。

特に、Slack社内でのSlackの使い方は、おそらく世界で一番先進的なので、それを当たり前として物差しを作ってしまうと、市場のニーズとはズレが生じてしまいます

そういったときに会社の規模や場所、ITリテラシーによってチューニングする必要があります。でも、そのチューニングを頭の中でやらなくても、レビューサイトにはすべての情報があるので、素早くユーザーの目線に切り替えられる。そこはすごくいいところだと思います。

―マーケター目線で今後ITreviewに期待することがあればお聞かせください。

伊藤様:メッセージをどう日本のマーケットにフィットした形にするか、お客様の声をいかにコンテンツに落とし込むかが私のミッションです。そして、その次のステップでは、ITreviewのプラットフォームでリードジェン活動を仕掛けるためのやり方やプランが一つ興味のあるところですね。

―最後に今後のマーケティング戦略の展望、その中でのeBookやレビューの活用についてお聞かせください。

伊藤様:今年当社では「Digital HQ」を大きなテーマとして活動しています。聞き慣れない言葉ではありますが、コロナによるパンデミックから2年経ち、オフィスに戻る動きがある一方で、リモートワーク・ハイブリッドワークが合っているという方もいる。働き方の選択肢が非常に広がった2年だったと思います。

その中で、どこに行っても120%の成果が出せる職場環境、単に物理的なかっこいいオフィスを作るのではなく、デジタルな職場環境ということで、Slackにログインすることが出社に当たる。そういったコンセプトで活動をしています。

その「Digital HQ」というメッセージをさまざまな形でお客様やマーケットにお伝えしていくことになるのですが、その過程でどのようなお客様の声をいただけるのかが個人的には楽しみです。我々が考えている以上に「Digital HQ」的なSlackの使い方をしているお客様の声を集めることで、日本におけるそれぞれの企業に合った「Digital HQ」のあり方をコンテンツ化していきたいと思っています。

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