ITreview活用を機に、営業、マーケ、開発、サポートの動きがスピーディーに

rakumoが取り組む「顧客の声に向き合うプロセスの再構築」

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本記事のサマリー

《背景・課題》
●顧客の要望を機能改善にうまく結び付けられていなかった
●顧客満足度調査やNPSでは、自発的に発信しない顧客の声が把握しきれなかった
●せっかくいただいた顧客の声が社内で閉じてしまい、活用の幅が限られていた

《ITreview利用の効果・メリット》
●ITreviewの活用をきっかけに、顧客の声にリアルタイムで向き合う体制づくりが本格化
●ITreviewというオープンな場に顧客の声があるがゆえに、各部門の次のアクションがよりスピーディーに
●投稿されたレビューや、ITreview Grid Awardの称号を二次利用し、マーケティング活動へ有効活用  
●評価の高いレビューがサポートチームのモチベーション向上にも作用。顧客に対する提案の幅も広がった

 顧客からいただく多種多様な声。それにどう向き合い対応していくかは、企業にとって生命線といえるもの。いただいた声に対し満足のいく対応を行えば、信頼の獲得につながり継続契約の可能性も高まるだろう。

 「この顧客の声に対しては営業が対応すべきか、サポートが対応すべきか、それとも開発の観点からの対応をすべきか」そんな顧客の声に向き合うプロセスの再構築に取り組んでいるのが、G Suite連携のクラウド型アプリケーション「G Suite版 rakumoシリーズ」やSalesforce連携のスケジューラー「Salesforce版 rakumoシリーズ」を提供するrakumo 株式会社だ。

今回同社は、ITreviewの利用をきっかけに社内体制を構築、顧客の声に向き合う組織へ変革したとして、ITreview 2019 Customer Voice Leaderを受賞。同社は、どのような組織変革に取り組み、またその中でレビューをどう活用しているのか。取締役 COO 川元久海子氏、マーケティング部 部長 鈴木一弘氏、プロダクト部 カスタマーサービスグループ QAマネージャー 西原智仁氏に伺った。

顧客の声が、誰でも見えるように――良いレビューが導入検討中の企業の背中を後押し

――ITreview導入以前、貴社は、顧客の声をどのように収集していらっしゃいましたか?

西原氏: 私はサポート窓口が属しているカスタマーサービスグループのマネージャーを務めていますが、お客さまの声としては、「お問い合わせ」からいただくことが一番多いかと思います。過去に顧客満足度アンケートを実施したり、最近ではNPS(Net Promoter Score:顧客ロイヤリティー調査)を実施したりして、お客さまの声を収集しています。

鈴木氏: マーケティング部では、導入事例の作成を通じて、お客さまの声を直接お伺いする機会があります。導入前にはこういう課題があって、どういう経緯で導入して、今使っていてどうなのかというところをお伺いしています。

――サポートに声を上げていただける方や事例制作にご協力いただける方は、とてもありがたい存在。一方で全く声を上げないサイレントマジョリティーも存在しています。ITreviewをご利用いただくにあたって、そんな方々の声も広く集めたいというご要望はあったのでしょうか?

鈴木氏:私たちがいくら働きかけても、顧客満足度調査やNPSに応じてくれない方が少なからずいらっしゃいます。そのような方々は、レビューサイトのような第三者のオープンな場なら気軽に声を上げていただけるのではないかという期待は、ITreviewを利用する際にありました。

 それに加えて、顧客満足度調査やNPSでは、せっかくいただいた声が全部社内に閉じてしまうという課題も感じていました。他のユーザーからはどんな声が寄せられているのか分からない。ITreviewが新しいと感じたのは、その方の声が他のユーザーも見ることができるということ。オープンな場に声があることで、いろいろな波及効果があると思いました。

 良いレビューが投稿されれば、弊社の製品の導入を検討されている企業の背中を押す効果が期待できます。レビューによって信用や評判を獲得でき、ブランディングにも役立ちます。

サブスクビジネスでは、継続性が最も重要。顧客の声がオープンな場にあることで、社内の各部門を動かしやすい

――今回貴社は、ITreviewをきっかけに社内体制を構築、顧客の声に向き合う組織へ変革したとして、Customer Voice Leaderを受賞されました。どのような体制構築に取り組まれているのでしょうか?

川元氏: ITreviewの口コミを始め、たくさんいただくお客さまの声に対し、営業が対応すべきか、サポートが対応すべきか、開発の観点からの対応をすべきか、そのプロセスを整理して再構築しなければならないというのは、以前から顕在的に認識していました。実は半年前から、サポートの西原と私と営業部長と開発の取締役と4人で定期的にミーティングをしながら、顧客に向き合うプロセスの改善に取り組んでいるところなのです。

 私たちはクラウドのサブスクリプションモデルのビジネスをやっていますので、継続性が最も重要なことの1つです。そう考えた時に、口コミと継続性は比較的近いところにあると感じています。自分だけじゃなくて、この人もそう思っているというのが、使い続ける意味だったり、逆に使い続けない意味だったりするのかなと思います。

 そういう意味では、ITreviewでいただいた声に、リアルタイムで向き合っていくことがとても大事かなと思っていますし、今後まさに取り組もうとしています。

鈴木氏: お客さまの声がオープンな場に出るがゆえに、社内の各部門を動かしやすいと思いました。不満の声があがれば、社内でそれを無くすように動く。開発にちゃんと意見をあげていく。それがオープンな場に出てしまっているので、なおのこと動きます。ITreviewを利用することで、営業、マーケティング、開発、サポート、カスタマーサクセスが、これまでよりスピーディーに次のアクションを起こせる体制に自然となる。そのような効果も感じています。

――ITreviewに投稿されたレビューには、どのように対応されていますか

西原氏: サポートのほうでは、機能がちゃんと備わっているのに「こういうことができないので困っています」と書かれてしまった場合、「いや、ありますよ」と誤解を解く返答をスピーディーに行っています。

川元氏:間違った認識を持っていらっしゃるだろうなという投稿に対しては、サポートのほうからすぐに返答してもらっています。どんどん機能アップしていくSaaS製品の宿命なのかもしれないですが、できるのにできないというお客さまのご認識違いも結構あるのです。そのご認識違いというのを早めに解消していくことでお客さまの満足度の低下を防止することができると思っています。

 また、1人の方が勇気を持って書いてくれたことで、言わないけどそう思っていたという人の誤解も解くことができていると思います。一番怖いのは、不満をずっと蓄積していきなり解約になってしまうことです。そうなってしまわないために、ITreviewを活用することができると感じています。

――貴社は、PremiumプランにてITreviewを活用されています。Premiumプランにどんなメリットを感じていらっしゃいますか?

鈴木氏: 投稿されたレビューや、ITreview Grid Awardの「Leader」「High Performer」 の称号を二次利用できる点が非常にいいと思いました。実際、カタログにレビューを抜粋して掲載したり、ニュースリリースやメルマガなどで、ITreview Grid Awardのバッジを紹介したり、マーケティング活動に早速二次利用しています。

 まだWebサイトに出していないので、早めにバナー掲示したいと思っています。営業の場面でも、ITreviewへ寄せられている声を紹介し、自分たちではなく第三者が言っていることだからと、相手方にリアルに受け止めてもらっています。二次利用ができるというのは有償プランの大きなメリットですね。

――サポートの方々は、ITreviewを利用することのメリットをどのように感じていらっしゃいますか?

西原氏: 基本的にサポートの窓口は、製品のマイナス面のお声を比較的多くいただく部署なので、ITreviewのレビューをチームのメンバーが見た時に、「あれ?すごくほめられている」みたいな驚きはありましたね(笑)。私たちが認識しているストロングポイント以外のお客さまが感じているストロングポイントに気付かされ、モチベーションが上がったということはあると思います。

 業務的には、「こうすればできますよ」だけではなく「こういう使い方もできますよ」と提案の幅が広がりました。こうやって解決されている方もいますよと返せるようになったことが、ITreviewを利用するようになってサポートチームが感じているメリットかなと思います。

――レビューを増やすために工夫されていることは何かございますか?

鈴木氏: 既存のお客さまへメルマガで、今書いてくださるとITreview がこういうキャンペーンをやっていますよと告知したところ、レビューが増えました。ITreviewが定期的にキャンペーンを実施してくれるので、どこかのタイミングでまた告知しようかと思っています。

 先日の「ITreview 2019」のイベントで、「レビューは古くなるとだんだん聞く耳を持たれなくなる」という講演がありました。個人的にも、最近のレビューほど信頼がおけると思いますので、継続してレビューを増やすための工夫をしていかなければと思っています。

今後、投稿されたレビューの分析レポートを作成予定。ITreviewのユーザーコミュニティー活用も視野に

――ITreviewの活用方法について、今後さらに構想されていることがございましたら、お聞かせください。

鈴木氏: 今実際に取り組んでいるのは、ITreviewへ投稿されたレビューの分析レポートの作成です。現状のITreviewの中で、すごくいいなと思っている機能に、競合との比較がすぐに出るというのがあります。

 それも分析の1つなのですが、レビューも多数寄せていただいているので、お客さまが全部を読むことはむずかしいのではないかと思います。そこで、レビューを整理して、製品の良い点、悪い点をすっきりまとめたものをお客さまへ提供していこうと考えています。いい形にまとめられたら、ダウンロードできるようにするとか、営業資料として活用してもらうとか、メルマガに載せるとか、そういうことは今考えていますね。

川元氏: 会社としては、レビューをきちんと製品に結び付けていくことですね。それは機能アップだったり、機能改善だったり、サポート側でどう対応していくのかというところに結び付けていきたいと考えています。グループウェアは社員全員が使うものなので、実際に使われている方の操作性などに対してのレビューが多ければ、もっとユーザビリティを上げていくという方針もあるでしょうし、カスタマー満足度を上げるような製品づくりにITreviewのレビューを活用していきたいと思っています。

西原氏: ITreviewを始めると聞いて、批判的な意見をたくさんいただくと予想していたのですが、始めてみると、意外に、ほめてくださるご意見も多くあり、お客さまに受け入れられていることが実感できました。今後はITreviewを、お客さま同士のコミュニケーションができる場、ユーザーコミュニティーのように活用できないかな、と考えています。


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