顧客の声には徹底的に向き合い、活用する。 15年連続市場シェアNo.1の実績を支える「製品力」と「顧客満足度」の源泉

企業向けのセキュリティソフトなどを開発しているエムオーテックス株式会社様。ITreviewでは、約20年もの歴史がある同社の「LanScope Cat」について、2020年の「Customer Voice Leaders」の1つとして選定させていただきました。営業活動のなかでユーザーレビューを説得材料の1つとして提示するだけでなく、レビューの内容を開発現場にフィードバックすることで製品改善の参考にもするなど、社内での積極的な活用が進んでいます。

【背景・課題】
・顧客が求めている製品の改善ポイントを探りたい
・競合製品が多いリプレース市場のなかで顧客の流出を防ぎたい
・導入企業の拡大を図るための説得材料がほしい

【効果】
・ユーザーの声が次のバージョンアップに向けた製品改善の根拠の1つに
・投稿への返信で製品に対する誤解を解き、フォローもしやすく
・商談時、実際の顧客対応を明らかにして安心感をアピールできるように

■徐々に存在感が高まり、社内でのITreviewの活用が促進

―御社と「LanScope Cat」という製品について教えていただけますでしょうか。

当社が開発する「LanScope Cat」は、IT資産の管理や内部不正対策、外部からの不正アクセスの防止対策などを一元的に行える、企業様向けのクライアントサーバー型セキュリティソフトです。およそ20年の歴史があり、おかげさまで多くのお客様に導入いただいて、市場シェアNo.1を獲得させていただきました。

私は製品のサポートを担当していますが、導入していただいた企業様の運用支援も行っています。こうしたセキュリティ製品は導入してそれで終わりというわけではありません。導入後もお客様それぞれが実現したいことに基づいて設定をチューニングさせていただいたり、運用のポイントをお伝えします。お客様だけでは最適化が難しい部分を我々がお手伝いする、という形です。

ただ、市場としては飽和状態にあるのも事実で、いわばリプレース市場にもなっています。競合製品がたくさんあり、数年で乗り換えてしまわれるお客様も少なくありません。それを先回りして、長く使っていただけるようにフォローしていくことも私たちのミッションの1つです。

―御社製品の特徴、一番の強みはどういったところになりますか。

本製品は企業のユーザー様のパソコン1台1台にインストールするタイプですので、一番大事にしていることの1つが負荷の軽さです。ソフトのせいで動作が重くなって本業に支障が出るなど、お客様にご迷惑がかかることは避けなければいけません。負荷が少なく、パソコンの利用環境に優しいという部分は、実際にお客様にも喜んでいただいてるところだと思っています。

―ITreviewを活用しようと考えた背景と、具体的な活用方法について教えてください。

1つは製品導入の商談の際に利用して、導入の拡大につなげたかったという営業的な側面です。それともう1つ、お客様の声を拾い上げて製品の改良・改善に活かしていきたい、という考えもありました。

ITreviewを活用し始めた最初の段階では、私たちの部署でITreviewに投稿されたレビューを定期的にピックアップしたり、ポイントとなるところを取りまとめて開発部門にフィードバックしたりしていました。開発部門では、次のバージョンアップに向けた機能や改善を検討するときに、お客様の声の1つとしてそのフィードバックの内容も考慮しています。

最近では社内全体でITreviewの存在感や価値が高まってきたこともあり、開発部門側でもレビュー投稿を取りまとめるようになっています。ITreviewのレビュー内容のみを参考にして何かを決めるということはありませんが、改善箇所を検討する時の裏付け材料の1つとして活用している、ということになります。

―ITreviewにユーザーが投稿した内容を元に製品を改善した、というような例は過去にありましたか。

以前からお客様からの声として多かった操作性部分の課題について、ITreviewでも同じように要望が多かったことから、その煩雑さを解消した、ということはありました。やはり操作性にもきちんと着目して改良しないと顧客満足度は上がらないということに、ITreviewの投稿内容をチェックすることで確信がもてるようになりましたね。

一定期間で集まったレビューをまとめ、ユーザー向けに公開したサイト
実際にこの取り組みから得られた改善要望への対応もなされた

■実際の顧客対応の中身を提示することで、商談時に安心感をもってもらう

―ITreviewのLanScope Catのページを見ると、200件近い投稿すべてに対して返信されています。ここまで丁寧に対応するのには何か理由があるのでしょうか。

礼儀ではないですが、投稿には返信するのが当たり前、と考えているところはあるかもしれません。また、コメントを拝見すると、お客様が勘違いされている場合も多いと感じました。たとえば実際には可能な機能があるにもかかわらず、「できなくて困っています」といった投稿があったりしたんです。その誤解を解いてあげたいな、と思いました。

本当に不可能なことをご指摘いただいた場合でも、返信で代替案を提示することもできますし、しっかり対応していくことで第三者の方が目にしたときに「メーカーの人もきちんと投稿を読んで対応しているんだな」というような雰囲気が伝わることもあるのではないか、と考えています。

―時にはネガティブな意見もあるかと思います。

もちろん、その時点ではどうしても製品として対応できないパターンもあります。そういう時はいったん要望として承り、開発部門にフィードバックして、社内側で改善の見込みが立った時点で改めて返信などで対応予定をご連絡させていただく、というやり方もしています。

レビューに書かれたお客様の改善要望に対し、方針を一次回答
その後も、状況の進捗を報告するコメントを行い、徹底的に顧客をフォロー

他にビジネスチャットツールも業務で利用していて、ITreviewにお客様から投稿があったときに、API連携でチャットワークに送信して共有するようにもしています。満足度が低いと評価されたレビューがあった場合は、早いうちにチャットを使って社内で連携し対策を検討する、ということもありますね。

こうして社内のみんながタイムリーにお客様の声を意識しながら仕事できる仕組みにしていることもあって、会社の中でITreviewの存在が今や当たり前になってきているように感じます。

―プロモーションや営業活動など、他の場面でITreviewを活用されていたりはしますか。

一度、他社製品のユーザー投稿も含めてテキストマイニングにトライしてみたことがあります。当社製品が評価されている部分と、競合製品が評価されている部分とを比較分析して、どこに当社製品の強み・弱みがあるのかを把握しようと。結果としては、実際の商談における受注・失注理由と、ITreviewの投稿内容とで一致するところが多いんだな、という答え合わせができ、はっきりと製品の強み・弱みを再認識できることにつながりました。

また営業部門では、お客様との商談の際にも活用していると聞いています。ユーザー様から製品に対してITreviewでどんなお声をいただき、評価していただいているか、投稿への返信など顧客対応をどのように行っているかをお見せして、安心感をもっていただく、というようなところも提案時の材料の1つにしているようです。

―他のプロモーション施策などと比較したときのITreviewの魅力はどんなところにあると思いますか。また、今後活用を広げていくうえで課題になっているところはありますか。

ITreviewのような口コミサイトは、お客様にとって投稿するハードルが低く、自身が抱えている潜在的な要望やニーズを書き込みやすいのではないかと思います。我々としてはそうした情報が得られたうえで、統計的に確認しながら製品やサービスの改善につなげられるのは魅力的です。

ただ、今悩んでいることの1つは安定的にお客様の声を集める方法です。同じお客様でも1年前の投稿と今年の投稿とでは、製品のバージョンも違いますし、使い勝手などの印象も変わるはずです。順次新しい投稿に入れ替わっていかないと、プロモーションの面でも、開発へのフィードバックという意味でも、活用しにくいものになってしまいます。

お客様とコンタクトを取る際にITreviewへの投稿を促す案内をしていたりもしますが、それだけだと反応が薄いんですよね。ギフト券プレゼントなどのキャンペーンを張るのも1つの方法かもしれませんが、他にも効果的な手法があればいいのに、と悩んでいます。

―これからITreviewを活用したいと考えている企業に向けて、御社なりのアドバイスやメッセージをいただければ。

当たり前のことかもしれませんが、せっかくお客様からいただいたレビューなので、それをある意味擦り切れるまで活用した方がいいですよね。投稿内容をきちんと読み込むのは前提として、他のお客様とお話をするなかで、投稿にあったような課題がそのお客様にも当てはまらないか、もしくは投稿で要望されていた機能について他のお客様も必要とされていないか、逐一確認していくような活動も大事だと思います。

製品開発においては、機能の追加・改善のロードマップはあらかじめ決まっている場合が多いとは思いますが、その方向性が正しいかどうかをレビュー内容を見て再確認することができます。レビューにあった要望を100%採用するということではないとはいえ、レビューを絶対におろそかにしてはいけない、とは感じています。

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