狙いはグリッド右上。レビューから改善点を拾い上げ、適切なフォローアップでポジショニングを明確に

SFA/CRMプラットフォーム「Salesfoce Sales Cloud」と一体的に連携するマーケティングオートメーション(MA)ツール「Salesforce Pardot」を提供している株式会社セールスフォース・ドットコム様。そのPardotについて、ITreviewでは2020年の「Customer Voice Leaders」の1つとして選定させていただきました。ITreviewを通じてPardotの顧客から要望を拾い上げ、丁寧にフォローアップしていくことで製品の立ち位置を明確にし、新規顧客の獲得につなげています。同社にとってITreview活用の鍵はどこにあったのでしょうか。

【背景・課題】
・MAツール国内シェアNo.1の市場実態とWeb上の評価を一致させたい
・ライバルの多いMA領域のなかで、競争力を高める必要性
・自社コミュニティでは顕在化しない隠れたニーズ、不満を浮き彫りにしたい
・運用時の利用者のつまずき箇所を具体的に把握する術がなかった

【効果】
・市場における製品の立ち位置とWeb上での評価のギャップを埋めることができた
・ITreviewがPardotのポジショニングを積極的にアピールできる武器に
・MAツール導入後の、顧客のツールに対する印象の変化を追うことが可能に
・顧客がボトルネックに感じている部分をつかみ、改善の方向性の気づきを得た

■レビューを集める活動と、質を高める活動

―Pardotについて、ITreviewを本格的に活用しようと考えたきっかけを教えていただけますか。

秋津様
MAという領域は、私たち国外ベンダーだけでなく国内ベンダーからもさまざまな製品が生まれていて、そういった競合と比較されることが近年多くなってきました。また、Pardotを長年販売してきたなかで、他製品のお客様がMAツールをどのように使っているのか、お客様がPardotに対してどう思っているのか、といったところがMAツールの選定に大きな影響を与えていることもわかってきました。

お客様の生の声を聞いて、それを元に良い影響を他のお客様にも広げていく。ITreviewを使うことで、そういったシナジーを生み出せれば、と思って活用しようと考えたんです。

マーケティング本部 プロダクトマーケティング マネージャー
秋津望歩様

―ITreviewを活用するにあたり、明確な目標は設定されましたか。

秋津様
Pardotは、ITreviewのMAツール領域のグリッドで一番右上に突き抜けなければいけない、認知度と満足度の両方を圧倒的に高めなければいけない、と思っていました。Salesforceが提供するソリューションの1製品として、やはりリーダーのポジションを取って、そのうえでお客様に一番選ばれる製品という立ち位置を狙いたいなと。

川越様
ちなみにSalesforceでは、お客様が機能要望などを投稿できる「Idea Exchange」という公式コミュニティサイトがあります。そこで多くのリクエストが上がったことで、過去には英語版だったPardotの日本語化が実現したという経緯があるんですね。

ただ、そういう「日本語化」のようなわかりやすい要望は上がりやすいんですが、それ以外の「他のユーザーも絶対に自分と同じように困っているはず」と自分1人では確信がもてない細かい要望は、あまり投稿されなかったりするんです。

書き込みはしないけれど、表に出さずに心にしまい込んでいる要望があるのではないか。ポジティブなことも、ネガティブなことも一緒に書けるITreviewのようなレビューサイトにお客様の声を集められれば、そういった細かい要望も出てくるのでは、という期待もありましたね。

―その目標、目的に向けて、ITreviewはどのように活用してきたのでしょうか。

秋津様
グリッドの位置を高めるためにまず重視したのが、お客様の声をたくさん集めることでした。以前からコアなPardotユーザーを中心にした有志が運営するユーザー会が定期的に開催されていて、このコロナ禍でも一度に200名もの方々がオンラインで参加されています。そのユーザー会で「ITreviewにぜひご意見をお寄せください」と呼びかたのがまず1つです。

それとともに、ITreviewに投稿していただいた方全員にお礼として、Salesforceのキャラクター、コーディーのぬいぐるみをお送りするというキャンペーンも行いました。わざわざ時間をかけてレビューしていただいたお礼として、お1人お1人にラッピングして送りました。

―それはすごく素敵な取り組みですね。

秋津様
そういった特別感のあるプレゼントに喜んでいただいたお客様が、写真に撮ってSNSに投稿してくださるという光景も度々見られました。そうすると、それを見た他の人にもいい印象を与えられるかもしれません。ITreviewでレビューを書いた人が、他の人にもPardotを勧めやすくなる、ということにもつながるかもしれませんよね。

その一方で、数を集めるだけでなく、レビューの質を上げる取り組みも行いました。Pardotを活用されていて、かつPardotの構築やコンサルティングをされているパートナーの方々に率直なご意見をいただく、という形です。こちらはパートナー様にご参加いただくPardotの勉強会などでレビューをお願いしました。

ですので、ユーザーの皆様と、パートナー様という2軸で、レビューの件数と質を増やしていく活動を行ってきました。良いレビューほど効果的に拡散されやすいと感じています。

レビュー投稿したユーザーにプレゼントしたクマのぬいぐるみ

―それらの声をどのように活用してきましたか。

秋津様
どちらかというと、Pardotをうまく使えていない、というユーザーの投稿に注目しています。何がボトルネックになっているのか、お客様のつまずく箇所をレビューの中から発見して、それを1つずつ改善していけるようにするのが目的です。

たとえばPardotをスムーズに運用できるようにするために、各機能の入門的なガイドコンテンツ、トレーニング用コンテンツなど、ボトルネックを解決に導くコンテンツ作り、もしくはそのコンテンツを周知するための手段を考えるための参考にしています。

私どものPardotは他のMAツールとは違って、MA単体ではなく、Salesforceの他ソリューションやアプリケーションと連携して、より幅広い部門の方が効果を感じられるというのも事実です。お客様の経営基盤やビジネスに直結させることで効果を高めていくものですので、ボトルネックを解消して、お客様の運用環境を少しでも良くすることが大切です。

■ファンを増やすコミュニケーションの場をもつことが大事

―ITreviewに寄せられるレビューと、他の施策などで得られる声に何か違いを感じることはありますか。

秋津様
普段は営業部門やカスタマーサクセスの担当者がお客様とコミュニケーションを取るのですが、担当から伝え聞いた内容とお客様が本当に思っている内容には、少なからずズレがあるものです。人のフィルターを通すと感覚的にずれてしまうのはよくあることで、仕方がないんですけどね。

ただ、ITreviewのレビューだと、良くないところも含め、お客様が考えていることを率直に書いていただけます。改善点は私たち自身で気付ける部分もあれば、そうでないところもあります。大口のお客様1社からご指摘いただくところだけが重要というわけではなく、複数の中小企業の方から挙がった声に「なるほど」と感じることも多くありますね。

―他の営業・マーケティング活動と比べて、ITreviewはどのような違いがあると考えていますか。

秋津様
当社としては常に新規の見込みのお客様にアプローチをしていますので、各種広告チャネルや他の比較サイト、口コミサイトなども活用しています。ITreviewは、現時点のお客様の感想だけでなく、導入してから3カ月後はどうなのか、それ以降にお客様がどう感じているのか、といったように、中長期の変遷を見ることができます。通常のマーケティング活動でありがちな私たちからお客様への一方通行のアピールではなく、ITreviewは双方向性があるようにも思います。ここまで多くの人の正直な声を聞けるのは、他にはないユニークなところではないでしょうか。

―結果、見事に認知度、満足度が向上し、狙い通りグリッドのポジションは右上へシフトしました。

秋津様
世の中のMA市場におけるPardotのポジション、プレゼンスを改善できたことは、何よりもうれしいですね。それを実現するために、今年はたくさんのお客様の声をいただきました。 私たちにとっては自信につながりますし、中長期的にもお客様がPardotを検討するときの後押しになるはずです。

―今後はどのようにITreviewの活用を広げていきたいと考えていますか。

秋津様
高い評価をいただけたので、Pardotの世間的な評価をもっと多くの人にしっかり伝えていきたいですね。ITreviewのこの評価が、お客様がPardot導入の意思決定をする際の1材料になってほしいなと願っています。

それと先ほども申し上げたように、PardotはSales CloudやService Cloudなどと連携して使っていくべき製品ですので、Pardotと他製品とのシナジーをいかに考慮しながらITreviewを活用していくかが次のチャレンジになりそうです。いずれは私たちが提供しているできる限り全ての製品でグリッドの右上を狙いたいですね。

川越様
我々Salesforceはさまざまな製品を提供しているので、Pardotだけの広告を打つ、みたいなことは難しいところがあります。その結果どうしても製品単体の露出は少なくなってしまうのが実情です。それもあって、市場における製品の立ち位置とITreviewのようなレビューサイトでのポジショニングにはギャップができてしまいます。

そのギャップを、今回のPardotについてはITreviewを活用することで“是正”できたことが大きいと思っています。Pardotのポジショニングを積極的にアピールできる武器ができたな、と感じますし、これからもレビューしていただける方を継続的に増やしていければと思っています。

―これからITreviewを活用してみたいと考えている企業に向けて何かアドバイスがありましたら。

秋津様
ユーザーの方にただ「レビューを書いてください」と言っても、ご自身へのメリットがない限りなかなか書いていただくのは難しいと思います。ですので、レビューを書いてもらえそうなコアなユーザーを定期的に集めたり、ファン化を促すようなコミュニケーションの場が他にベースとしてあったりすると、ITreviewの仕組みがうまくハマるんじゃないかなと思っています。

そのうえで、お客様に対してレビューすることによるベネフィットを伝える必要もあります。レビューを書いてもらった後それを読んで、結果、企業としてどう対応していくのか。ITreviewを活用していくときには、その内容や手段もしっかり考えておくと、お互いに声を聞く価値が高まるのではないでしょうか。

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