着目したのは「客観性のあるNo. 1表記」、ユーザーレビューをプロモーションにも活かす-トヨクモ

着目したのは「客観性のあるNo. 1表記」、ユーザーレビューをプロモーションにも活かす-トヨクモ

災害大国と言われる日本では、いつ、どんな形で災害が襲いかかってくるかわかりません。とりわけ大勢の従業員を抱える企業は、そんな万が一の事態に適切な対応をとれるかどうかが、事業継続計画(BCP)の観点にも大きく関わってきます。トヨクモが提供している「安否確認サービス2」は、まさにそうした企業の防災・減災活動に貢献するクラウドサービスです。

ツールの性質上、ブランドやネームバリューが信頼性の高さにつながりやすいことから、強力な競合製品も多い同分野で効果的なアピールがしにくかったという同社。しかしながら、ITreviewの受賞バッジの「客観性のあるNo. 1表記」が有効であると仮説を立て、広告などへの積極的な活用で、ネームバリューによらない信頼性の獲得やブランド価値向上に成功しました。

■インタビュイー情報
トヨクモ株式会社
マーケティング本部 プロモーショングループ 中井康喜氏

本記事のサマリー

【背景・課題】
・競合他社に比べて知名度が低く、信頼性や安心感が伝わりにくかった
・「満足度No.1」のような客観的な評価の有効性を事前に確認
【活用の効果】
・企業やサービスのブランドイメージアップに貢献
・マーケティング・プロモーション施策の方向性の参考に

「客観性のあるNo. 1表記」を示す広告の効果の高さを実感

―はじめに御社の事業内容と、提供されているサービスについて教えてください。

当社はもともとkintoneなどで知られるサイボウズの子会社として設立され、そこから独立し、2020年に東京証券取引所のグロース市場に上場しました。主な事業はクラウドサービスの開発で、「安否確認サービス2」のほか、スケジュール管理の「TOYOKUMO Scheduler」や、kintoneと連携するToyokumo kintoneApp 6製品を提供しています。

主軸である「安否確認サービス2」は、地震や津波などの災害時、もしくは特別警報が発令された際に、気象庁のそれら情報に連動して自動でユーザーの安否確認を行うものです。東日本大震災をきっかけに生まれ、その後の運用で得たノウハウを活かし、機能や安定性などを一段と向上させた形で「2」としてリリースしたものになります。

「安否確認サービス2」を導入すると、災害発生時に安否確認通知が自動送信されます。それに従ってユーザーが被災状況を回答すれば、回答情報が自動集計され、企業側はシステム上で従業員1人1人の安否を手間なく確認できます。また、従業員の出社が難しいときは「テレワークで対応してください」といった連絡をしたり、無事な人には「近くの取引先に訪問して業務の状況を伝えてください」といったような追加の指示をしたりすることも可能です。

企業の防災担当者の不安や業務負担を低減できますし、災害の少ないシンガポールにメインサーバーを設置するなどして日本で災害が起こっても安定稼働する実績があります。また、シンプルな操作性でコストパフォーマンスが高い、といったあたりもお客様から評価されているポイントです。

―なぜITreviewを活用していこうと考えたのでしょうか。

2022年4月頃から有償契約をスタートしたのですが、その少し前に「信頼性」をアピールするWeb広告を試した際、かなり高い効果が得られた、というのが本格活用し始めた理由の1つです。弊社の強みである「災害時のサービス遅延・停止がゼロである」ことを強調するようなロゴを掲載すると、通常のバナー広告よりお客様からの反応が良く、権威性、特に第三者からのそういった評価が大事なんだということに改めて気付かされました。

また、災害時の安否確認に関わるサービスは「信頼性」や「安心感」が重要なファクターですが、当社は競合他社ほどのネームバリューがないため、それらが伝わりにくいのが課題でした。ITreviewを活用すれば、「満足度No.1」のようなバッジを掲示してブランディングでき、「信頼性」や「安心感」にもつなげられるだろうと考えました。

レビューの内容からプロモーションの方向性を検討

―寄せられたレビューや獲得した受賞バッジ、その他ITreviewの機能はどんな風に活用してきましたか。

主にWeb広告でバッジを利用しています。2022年12月にはYahoo!のトップページにもバッジ入りの広告を出稿しましたし、プレスリリースやIRの資料、営業用資料のなかでもバッジを使わせていただきました。当社のプロダクトページではバッジに加えてユーザーレビューもピックアップして掲載しています。

―ITreviewを活用したことによる効果はいかがですか。

具体的な数値としてお出しできるものはないのですが、バッジ付きで広告やプレスリリースなどを出したときには、やはりブランドイメージを強められるという実感があります。社員はもちろん経営層も、その重要性は認識していますし、当社サービスを導入した企業の方に伺うと、事前にITreviewで知ったというケースがあることも確認しています。

―集まったユーザーの声を参考にサービスを改善した、といったような例はありますか。

投稿されたユーザーレビューについてはマーケティング部門で内容をまとめていますが、投稿者がIT担当の方だとこういう傾向があり、他の職種だとこういう傾向がある、といったような特徴が見えてきます。それを元に、次のマーケティング・プロモーション施策ではどの職種の方に向けたメッセージにするか、という議論をしていたりもしますね。

―ITreviewを活用、運用していくなかで難しいところはありませんでしたか。

難しいと感じるところはなかったですね。ITreviewの担当の方には丁寧にサポートしてもらっていますし、時にはバッジなどを掲載するWebサイトついて、より効果的にアピールするためのアドバイスをいただくこともあるくらいです。

AIが主流になっても人の生の声、レビューサイトの価値はますます高まる

―ITreviewを今後どう活用していきたいと考えていますか。

バッジを使う広告手法はこれからも積極的に取り組んでいきたいと思っています。マーケティングだけでなくセールスやCSの部署にもお客様の生の声を共有しながら、顧客視点でお客様対応を進められれば。もちろん当社が提供している他のプロダクトにおいても、今後はITreviewの活用を検討していきたいですね。

レビューの数を集めていくことは大事ですが、当社としては、お客様から高い評価ばかりを意図的に集めるのは企業として正しい姿勢ではないのでは、という考えもあります。ですので、意図的に高い評価をいただけるお客様にお願いするのではなく、多くのお客様にレビュー投稿をお願いしていければと思っています。

ーITreviewをまだ活用していない、または活用方法に悩んでいる企業に向けてメッセージをいただけますか。

今では、サーチエンジンで検索すると探しているサービスをすぐに見つけられますし、比較記事やSEO記事などもたくさんあります。ただ、それらを見ても、結局のところどれを選ぶといいのかわからないのが正直なところではないかと思います。

そうしたときに、1人1人の生の声や知り合いの評価はとても大事です。最近、ChatGPTやBardのような対話型AIが話題ですが、おそらくはネット上の声の「平均値」みたいなものが提示されるだけでしょう。将来それらが主流になったとしても、特定の人が自ら感じたことを元にしたレビューの重要性は失われるどころか、なおさら高まっていくはずです。

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