チャットプラスのカスタマーサクセス事例―毎日5件の製品改善で顧客の声をスピード反映

「製品の90%は、“顧客の声”でできている」月100件の契約を獲得する企業の戦術とは

カスタマーサクセス事例:カスタマーサクセスの夜明けとは
 製品・サービス提供後も、顧客企業の成功を第一として積極的に伴走を続ける「カスタマーサクセス」を取り入れようとする動きが日本でも活発化し始めている。本連載ではカスタマーサクセスに取り組む企業とその立役者を連載形式で取り上げ、具体的な施策やうまく推進するための秘訣などを紹介する。


 2019年6月現在、契約数は約4,400アカウント。今もなお1カ月に100~150アカウント増のペースで利用ユーザーが増え続けている。そんな快進撃を見せているWeb接客(Webチャット)ツールが「ChatPlus(チャットプラス)」だ。月額1,500円からと低価格、また申込み後わずか1分でID発行、JavaScriptのタグを配置するだけですぐにチャットを始められる利便性の高さが世の中に支持されるゆえんとなっているのだが、「低価格なのに、機能の充実ぶりがスゴイ」という理由から、ChatPlusを選ぶユーザーも少なくない。

 Founder and CEOの西田 省人氏は言う。「ChatPlusにもともとあった機能というのは、現在の10分の1ぐらい。9割はお客さまから寄せられた要望で開発し、どんどん追加していった機能です。つまり現在のChatPlusの90%は、お客さまの声でできています」そんな新機能開発の源となるお客さまの声は、カスタマーサクセスチームの3人が中心となって集めているという。同社のカスタマーサクセスチームはどのようにして顧客の声を集めているのか。西田 CEOと、取締役 COOの大江 繭子氏へ「顧客の声の生かし方」について詳しくお伺いした。

自社Webサイトに設置したチャットが、顧客の声の入口。1日50件の声に、カスタマーサクセスチームが対応

――貴社は、いつからカスタマーサクセスに取り組まれていますか?

西田氏: 2016年8月に創業し、ChatPlusをリリースした当初から、カスタマーサクセスに取り組んでいると言っていいと思います。お客さまに提供するチャットツールをやはり自社のWebサイトにも設置していますので、お客さまがChatPlusを使ってみてどんな反応なのかをチャットを通して確認し、使い方が分からないなど、お客さまが抱えた課題に対して丁寧に対応していくということは、リリース直後から始めています。

西田 省人氏 チャットプラス株式会社 Founder and CEO

――カスタマーサクセス担当の方々は、どのようにしてお客さまの声を集めていらっしゃいますか?

西田氏:自社Webサイトに置いているチャットがお客さまの声の入口になっています。もちろん、そこは新規のお客さまがお問い合わせされる窓口なのですが、既存のお客さまもこのWebサイト上のチャットからお問い合わせされるケースが最も多いのです。Chatbot(定形の質問に対しボタン形式で自動回答する機能)で自動回答することも少なくないのですが、チャットには1日50件ぐらい、お客さまからフリーワードでのお問い合わせやご要望が寄せられます。カスタマーサクセス担当は、新規、既存を問わず、そのお問い合わせやご要望へ対応していく役割を担います。

大江 繭子氏 チャットプラス株式会社 取締役 COO

――新規、既存を問わず顧客対応されるということは、カスタマーサクセス担当の方が新規営業のような活動をされることもあるということでしょうか?

大江氏:チャットへのお問い合わせはいったん、カスタマーサクセスチームで受けて、「この機能の使い方は?」「この機能の設定方法は?」といった内容であれば、そのままカスタマーサクセスチームのほうで対応します。新規のお客さまから導入にあたっての相談事があった場合も、担当営業の訪問セッティングは、カスタマーサクセスが行います。カスタマーサクセス担当がお客さまへ訪問することはあまりないですが、顧客と担当営業のWebミーティングにカスタマーサクセス担当が同席することもあります。

西田氏: 営業が商談を行った後のフォローは、カスタマーサクセスチームで担当します。そのフォローがとても重要です。しっかり顧客フォローしているとやはり成約率が高いので、カスタマーサクセス担当のフォローが新規営業のカギを握るといっても過言ではないですね。

毎日、5~6件は新機能などの開発を実施。ChatPlusの機能のほとんどは、顧客の声が源

――顧客の声の中には、「もっとこういう機能がほしい」といったプロダクトへの要望はございますか?

西田氏: ChatPlusは従来のチャットツールと比べても、かなり機能が充実しているツールだと自負していますので、明確に「こういう機能がほしい」というご要望は少ないのですが、「こういうことをやりたいのだが、どの機能を使えばいい?」といったお問い合わせは少なくないですね。既に実装している機能で解決できる件であれば、その方法をカスタマーサクセス担当はお客さまへお伝えしますし、今機能として備わっておらずお客さまの「こうしたい」にお応えできない時は、「仕様外です」とは決して返答せずに、「実装しておらずご不便をかけて申し訳ございません。承ったご意見は開発担当に伝え、機能開発を検討させていただきます」とお返しするようにしています。

そういった機能に関するご要望は、課題管理ツールに蓄積して、私がチェックし開発担当へリクエスト。順次追加機能として実装していきます。実装されたら、意見を寄せてくださったお客さまへ「以前いただいたご意見を参考に追加機能として開発/リリースしましたので、よかったらぜひご利用ください」とフィードバックするようにしています。

――そのように機能拡張されていく際に、開発の優先順位をつけていらっしゃいますか?

大江氏: お客さまから同じ意見が多数挙がっている、汎用性の高いものの優先順位が高いです。LINE連携機能などがそうですね。

西田氏: 分析機能の中で、日付指定だけだったものを時間指定までできるようにしたというのも、複数のお客さまからご意見が寄せられていたためです。すぐに実装できるものであれば、1~2日で追加機能を実装します。大体、1日5~6件は新機能開発やバグ対応などを行っていますね。そのようなスピード感でプロダクト改善を行っていますので、ChatPlusにもともとあった機能というのは、現在の10分の1ぐらい。9割はお客さまから寄せられた要望で開発し追加していった機能です。つまり現在のChatPlusの90%は、お客さまの声でできています。

――なるほど。機能が充実していると評判のChatPlusですが、機能開発の源となっていたのは、顧客の声だったわけですね。チャット以外で、顧客の声を集めるために何か取り組まれていることはございますか?

西田氏: 定期的に開催している運用相談会が、それにあたるかもしれません。

大江氏: 運用相談会は、リアルの場でもWeb上でも開催しており、新規のお客さまも既存のお客さまも、どなたでも参加できます。今、設定をしているけどやり方が分からないというお客さまもいれば、導入を検討していて、こんなこと考えているけど実現できますか?というお客さまもいらっしゃいます。また、導入してしばらくたつけど、いまひとつ効果が上がらないという相談だったり、これまでチャットは単純な対話だけだったけど他のツールと連携したいだったり。さまざまな相談を個別にお伺いするのが、運用相談会です。その場で、直接伺ったお客さまの生の声は、やはりプロダクト改善に生かされていきます。

西田氏: 私たちよりお客さまのほうがチャットツールに対して柔軟な考え方だというケースもよくあり、Chatbotの使い方にしても、よくこんなことを考えつくなというようなアイデアをお持ちです。それをユーザー会などで横展開するだけでも世の中に有益だと思っています。これは、今後取り組んでいきたいテーマですね。

顧客は何を目的としてチャットツールを利用しているかを確認し、目的の達成に伴走する

――カスタマーサクセスチームのKPIは、どこに設定していらっしゃいますか?

西田氏: 1つあるのは、お客さまの満足度です。セットアップが終わった後に、お客さまの評価をお伺いしていますので、そこの満足度は見ています。現状は、90%以上の満足度をキープしていますので、それを維持していくことが、カスタマーサクセスの目標になります。

 おかげさまで1カ月に100~150件の契約が増えていっている伸び盛りのプロダクトなので、今はチャーン(解約)を減らしていくというよりは、どんどん増えていくアカウントに対してどうレスポンスよく対応していくか、お客さまからの要望に対してどう速やかにプロダクトへ反映していくか、カスタマーサクセスの活動も現在はそこに注力しています。

――カスタマーサクセス担当の主務は、顧客の成功にどう貢献していくかということだと思います。ChatPlusというツールを使う顧客の成功とは、どんなことでしょうか?

大江氏: それは、お客さまによってさまざまですね。問い合わせ対応を自動化して工数を削減したいという目的でChatbotがあるChatPlusをご利用されることもあれば、Webサイトに訪問してくれた方をお目当ての情報までガイドするためにチャットをご利用されることもあります。また、Webページから離脱させないために対話形式で簡潔に伝えたいことを伝えられるからとご利用されることもあれば、社内連絡をスムーズに行うためにChatPlusを利用してくださることもあります。

 利用する目的がさまざまなので、一概に顧客の成功とはこうだと言うことは難しいですが、あえて言うなら、お客さまの目的が達成されること、イコール、お客さまの成功でしょうか。目的が達成されるように伴走していくのが、カスタマーサクセスチームや営業の重要な役割だと思います。

ChatPlusの場合、Webでお申込みされるお客さまがほとんどなので、契約された時は、どんな目的で導入されたか分からないケースが多くあります。設置したけどあまりチャットが来ないといったお問い合わせや、もうちょっとコンバージョン率を上げたいという相談があった場合、私たちはまず何を目的にしているのかを確認して、もっとチャットを活用できる方法をサポートします。例えば、個人情報を入手するタイミングではないにもかかわらず、わざわざ名前を入力いただいてからチャットを開始していたのを止めていただいたというケースもあります。そういうところを少しずつ改善していって、目的を達成できるように伴走する。実際、問い合わせ数が増えたとか、コンバージョンが4倍になったとか、そういう事例もあります。

――今後、カスタマーサクセスチームで取り組んでいきたいことがあれば教えてください。

西田氏: 今のところ、たくさん来る問い合わせを丁寧に返すことに注力していますが、もう少しマーケットが落ち着いてくれば、お客さまの利用状況をスコアリングして、チャーンを減らしていく活動をやっていきたいですね。チャーンされてしまうお客さまは、あまり使わずにチャーンされていく傾向があるので、しばらくログインしていないユーザーなどに対するPUSH型のアプローチを強化していきたいと考えています。こちらから設定をし直しに行くといった先回りの活動が、今後必要になってくるかなと思っています。

 あと、これは願望に近いのですが、メーカーなど世の中のいろいろな企業に、カスタマーサクセスの概念がもっと広まっていけばいいなと思います。私たちが、ChatPlusで集めたお客さまの声をプロダクト改善に生かしているのと同じように、さまざまなメーカーがカスタマーサクセスの実践によって、集めた顧客の声を商品開発や改良に生かすような潮流が巻き起これば、私たちのビジネスにとっても好影響をもたらすと思います。なぜなら、ChatPlusは、「顧客の声を集める」カスタマーサクセスの実践には、かなり強力なツールになり得ると思うからです。

取材にご対応いただいた チャットプラス株式会社 の製品レビューはこちら
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